合宿初日の小事件A
2010/10/08







 どう言ったものかと困り顔なメンバーを一瞥して、翔が徐に口を開いた。



「一舞はなにもおかしな事は言ってないから心配すんな。コイツらが勝手に焦ってるだけだから」

アキラ
「ふふん…翔はいつも一舞にやってもらってるから平気だもんな?」


「べつに…平気なわけじゃないッスよ…」


 からかうようなアキラくんの言葉に、翔は少しムッとした様子で返事をした。

 ていうか、あたしがおかしいんじゃなくてみんなが焦ってる?とは、いったいどういう事情なのでしょうか?



「勝手に焦ってるっていうかさぁ、俺…母ちゃん以外の女子にパンツとか洗ってもらうなんて人生初すぎてヤバいんだけど」

一舞
「…はい?」


「……俺としても個人的にちょっと…気が引ける」


「俺も…」


「俺はなんとなく…香澄に悪いような気がする」
一舞
「えー!?だってここには香澄はいないんだもん仕方ないじゃん!」

「…まぁそうなんだけどよ」


「なんだ…めんどくせー奴らだな」


「いや、俺かて・・・こうなってくると若干ハズいで」

アキラ
「学は仕方ないとしても、そのせいなのかな…一舞はかなり麻痺してるな」

一舞
「…まひ?」

アキラ
「女子の方がもっと、嫌がるもんなんじゃないか?こういう話は」

一舞
「…嫌がるって何を?…パンツを洗うこと?」

アキラ
「そう」

一舞
「だって洗わないわけにいかないでしょ?」

アキラ
「まぁな」

一舞
「何?あたしって変?」


「アキラ…面白がるな」

アキラ
「ごめんごめん。一舞は変じゃないよ、立派だよ」

一舞
「………」

「…うん、まぁ…俺らが変に恥ずかしがるから話がややこしくなるんだよな。大丈夫!すげー有り難いから!なっ?蓮、そうだろ?」


「…そうだな」


「…お願いします」


「…だな」


「そうだ。お前らが意識し過ぎなんだ。馬鹿どもが。」

アキラ
「そうそう。一舞は学に鍛えられてるからな。パンイチで彷徨いたって平気でいてくれるよ」


「や・・・さすがにそれは」


「涼には無いだろうな」


「俺もしない」


「俺は家でなら…」


「するんだ?」


「…まぁ」


「隠すほど貧相なのか」


「…そういう問題じゃないと思いますけど」


「つーかマジで平気なの?」

一舞
「え?…あぁ…うん、大丈夫だと思う」


「……意外…だな」

一舞
「だって、自分が見られるわけじゃないし・・・ってそんな話だったっけ?」


「洗濯物の話から飛躍し過ぎなんだよ」

アキラ
「みんな、ちゃんとパンツ洗ってもらうんだよ」


純「アキラさん輝いとるな」


「コイツらがからかい甲斐ありすぎんだよ」

一舞
「じゃあそういうことで、任せてくださいね〜」









「うぁ〜ん!やっぱハズいよぉ〜!」



「うるせー・・・」


「男の姿した乙女が居るわ」









「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -