「今日の報告は以上です」


日課の報告を終わらせたリーゼント男は、何故か慌てて応接室を後にした。














並盛中学校の風紀委員長・雲雀恭弥は例え自らが選んだわけでもない部下がリーゼントだろうが、草を銜えていようが、何歳上か理解出来ないイタリア男と飲もうが、気にすることはない。
彼が学校の校則を守り、急いでいても静かに扉を閉め、廊下を走らないのならば気にする事すら億劫だからだ。


だから仕事を終わらせた部下がどれだけ早く帰宅しようと、雲雀の思考回路に部下──草壁哲矢の異様な行動など記憶されないのである。


その証拠に、雲雀の思考は草壁の報告など雑音のように聞き流し、丁度応接室から確認出来る教室が、下校時刻になろうとしているにも関わらず、未だ電気が点いていることに向いていたのだった。


──ふざけた草食動物がいたものだ。


雲雀は意識せず溜息をついた。
確認した場所は三年生が使用している教室。
並盛中学校に二年以上通っているのに下校時刻を知らないなど有り得ない。
ならば意図的に残っているか、もしくは寝過ごすなんていうよほどの馬鹿か。





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