「ジェット機だから多少狭いけど、文句はないだろ?」


何の事か上手く理解出来ない私に、彼は苦笑して「送ってあげるって意味だよ」と教えてくれる。
それが日本までだと分かるまで、また少し掛かったが理解すると慌てて頭を下げた。


「本当にありがとうございます。どうお礼をすれば良いか」


「別に。ついでだから」


私は嬉しくて笑ってしまった。


その後。
リーゼントさんが荷物を持って戻って来て、車が豪邸へ着くと、そこからはジェット機で日本へ向かうのだけれど、今はまだ知りもしない。
彼等がマフィアだとも聞かされるけれど、今はまだ知りもしない。


そして、日本に帰国しても、彼等に会いたいがために無謀にもイタリアへ飛び、また、空港で保護されるのだけれど。
今はまだ知りもしない。


今はまだ車の中にいて、必死にお礼を言っている最中なのだから。





紳士的気遣い
(それだけでもう)
(貴方の虜)






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