思わず受け取り、中を確認する。
そこにはまた、読めないスペルで何か書かれている金色のチケットに“12/31”と読める日にちが記載されていて。
「葉月さんは三十一日は暇ですよね?折角ですからパーティーに参加しなさい」
──断定に命令形?
「パーティー用の和服は僕が用意してあげるから、同封したチケットの飛行機に乗っておいで。迎えに行ってあげる」
──上目線?
「和服?折角のパーティーなんですから、僕が貴女に似合うドレスを見繕ってあげますよ」
「日本人なんだから年始は和服だよ。本振りの振袖でね」
「雲雀くんの好みは聞いてません」
「僕も君の悪趣味を理解するつもりはない」
ああ言えばこう言う。
ではないが、何だか意味の分からない内容が繰り広げられている。
大体、何日にパーティーだって?
確かその日にちは──
「あの、三十一日は先約があるので行けません」
ぺこりと頭を下げると、二人の口論は止まり、痛いほどの視線と威圧感が身体に突き刺さってきた。
“何だとテメェ”的な雰囲気である。
「先約、ですか?」
こくり。
私が素直に頷けば、空気が凍り付いた。