僕の指示通り、少し離れていく身体。
急速に感じなくなる暖かい温度に少し足りなくなる感覚。


矛盾した気持ち悪いモヤモヤ。


「寂しかった」


「は?」


「あんまり意地悪すると、いなくなりますからね、恭弥さん」


一体、何?
突然の事に、ぽかんとする僕の耳に、君は唇を寄せて小さく一言。


「十年後の貴方に伝えて」


また変な爆発音がして。
僕の視界は真っ白になった。


最後に見たのは、ドクリと心臓が鳴るほど、印象的な君の笑顔。















また纏わり付く煙から出れば、何かが僕に抱き着いて来た。
だけど、今回も離したりしない。


落ち着いて辺りを確認すれば、そこはやっぱり僕の大好きな──


「応接室か……ねぇ、葉月──ッ!?」


制服の白いシャツのボタンを三つまで外して、首筋に何か赤いモノが付いているさっきより随分幼い君が。
ギュッと強く抱き着いていて、震えている。


「助け、て、雲雀さんッ!怖い!!」


一目見れば、多分十年後から来たのだろう僕と何があったかなんて明白だった。
また、イライラしてきた。





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