「恥ずかしいなら目を瞑ってなよ。でも手は僕の首に回して」
“落ちるからね”
もう、何も考えられずトイレを我慢しながら必死に雲雀さんに抱き着いた。
一分もしない内に、和風の屋敷のトイレに到着し。
電気のきちんと点いたそこで安心して生理現象を処理した。
思えば恥ずかしい事ばかりだ。
トイレを我慢して、雲雀さんに抱っこされて。
「大丈夫?」
当の本人はトイレの前でご丁寧に待っていてくれるし。
うわぁぁぁ、もう雲雀さんの顔が見られない!!
けれどこのままトイレに篭るわけにもいかず。
「はい」と言って、トイレから出た。
「おいで」
差し出された手に素直に従って手を差し出せば。
私の知る風紀委員長の雲雀さんの手より大きくて少し驚いた。
「どうせ君のことだからホラー小説でも読んでたんでしょ?怖がりのくせに」
なんで知ってるの?
「ほら、おいで。何もしないから」
気付けば広い和室に敷かれた一式の布団の前。
びっくりして目をぱちくりする私を半場無理矢理引っ張って、布団に引きずり込んだ。