ちらちらと私の方を確認しながらの会話。


ま さ か


なんて、沢田綱吉さんと互いに目を合わせる。
何処かの質の悪い冗談ではないのだから。
報酬が人なんてことは──


「この子」


──あったー!!


沢田綱吉さんが何か口を開く前に、思いっ切り引っ張られ、肩に俵のように担がれた。
何が起こっているのか、理解する前に脳をショートさせようと必死になる。


夢であってほしい。
だって私──


なんだか分からないけれど、人身売買的な事に関わりそうになっている!


「君に口出す権利はないよ、沢田綱吉。彼女は僕の報酬だからね」


雲雀さんは沢田綱吉さんの返答を聞く前に部屋を出てしまった。


バタリと閉じられたドアに未来までも奪われる。


ドアの向こう側から、沢田綱吉さんの絶叫が聞こえた気がした。






さよならいとしの
シャングリラ
(強制的に始まった罰ゲームのような、現実)

お題拝借:SNSサイト 様






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