背筋に思わず悪寒が走る。
ふるふると頭を振って考えるのを遮断した。
怖い事を考えるから怖くなるのだから。
前を歩く、京子とハルの足が止まる。
気付けばもう此処は廊下の一番奥だったらしい。
正面にある一際存在を感じさせるドアの前に立つと、雲雀さんの、低い声が「入るよ」と告げた。
ギイッと軋むドア。
推理小説なら第一の被害者が出るであろうその雰囲気の中、やたらと場にそぐわない明るい声が響いた。
「雲雀さん、何処に……京子ちゃん?ハル!?」
「ツッ君!」
「ツナさん!!」
驚いたのは私達だけではなく、ドアの向こうにいた相手もだったらしい。
「雲雀さん、どういう事ですか?」
京子達を呼び付けたはずの相手からの、まさかの疑問。
だが、当の本人は淡々と答える。
「赤ん坊からの仕事だ」
依頼内容は、明日行われるパーティーに参加する京子とハルを連れて来ること。
どうやらドレスのサイズ合わせらしい。
二人は納得いったようで、事前に聞かされていたパーティー内容の打ち合わせに入ってしまった。
──って、え?私は?
「報酬は?リボーンは何て?」