納得出来ないままベンツに乗り込み、ロマーリオと運転を交代したハヅキを後部席に押し込んで。
極力離れたがる身体を無理矢理引き寄せて真剣に問い詰める。
いくら何でも出来過ぎだ。


ハヅキは困惑して逃げようとしたが、そうはさせない。
ロマーリオが連絡をした様子はなかったし、彼女がオレ達を尾行していた様子もない。


盗聴器を付けられていたはずも……まさか!?


「盗聴器か?」


オレの考えにハヅキがキョトンとする。
どうやらハズレのようだが、では?


「GPSです、ボス。携帯電話に内蔵されているGPSでボスが“多分”激しい運転をされて、それで……」


「……マジかよ」


「すみません」


どうやらキャバッローネ内部で、GPS機能を利用し、オレの外出先を確認していたらしい。
急に速度を上げて動き出したあたりで、オレがカーチェイスをしたのに気付いたのだろう。
保険のためにハヅキを向かわせた矢先、止まった反応から、車がエンストした事を察知したアジトが、緊急で指示を出したそうだ。


つまり、モロバレ。


「ロマーリオ、知ってたな」


溜息をついて、少し低めの声で脅す。
それが効く相手ではないが。





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