「だって風紀委員ってさ、ヤバそうだろ?悪いけど、結城さんは無理」
まるで分かってくれるよな、なんて言っているみたいな相手の返事に、私はただ呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。
“私”が悪いのではなく“風紀委員”が悪いなんてなんて言い訳。
酷すぎた。
「ねぇ、資料が皺になってるんだけど」
「あぁ!?す、すみません」
どうやら手に力が入っていたらしい。
大切な資料なのに、なんてことをしてしまったんだ。
「一体どうしたの?」
普段、こんなに感情的な状態で雲雀さんと接したことなどなかった。
だから、雲雀さんが不審がるのは当然。
「い、いえ。何でもないです」
今から思えば一発殴ってやればよかった。
風紀委員にいるうちに感化されたのかもしれない。
けれど、私は今、確かに風紀委員で、風紀委員のことを誇りに思っているのだから。
資料を見れば、学校の経営事情を知ることが出来た。
並盛の安全を理解出来た。
生徒の危険を回避させる方法を考えることが出来た。
風紀の仲間を見れば、優しさと、真面目さと、素直な一面を知ることが出来た。