呆然とした所で、何か良い意見や考えが出るわけではない。
結局、バイクが止まるまでに良い案が浮かぶこともなく“その時”は来てしまった。
「やぁ、赤ん坊。来てあげたよ」
シャツ越しに聞こえる一定の脈拍で動いていた心臓が、少し早く打つ。
雲雀さんでも緊張する相手はいるのだ。
「ヒバリ、夜にすまねぇな」
「それより……どういうこと?」
私と話す時より少し低い声。
あぁ、きっと機嫌が良くないんだろう。
私が雲雀さんを、騙していたから。
正直に告白しなかったから。
ドキドキと緊張から私の心臓も速くなっていく。
リボーンちゃんが一言真実を告げれば、この茶番劇はチェック・メイトだ。
雲雀さんの次の言葉に緊張が走る。
「結城葉月が、沢田綱吉の家に泊まるっていうのは」
──え?
「今夜はツナの追試対策勉強会だ」
──は?
全く心当たりのない内容にぽかんとしてしまう。
私は今、此処にいて、でも今、沢田君と勉強会をしているの?
それも、泊まりで?
流石に言い訳とはいえ、それはちょっと、