ちょこんと彼の手の平に乗れば、雲雀さんは優しい顔をそのままに、少し困ってみせた。
そして、
「君は帰るんだ。落ち着いて、此処は君の世界じゃないよ」
何のことだろう?
これは、私の、
「此処は君が来るところじゃない。さあ“君の僕”のところへ帰りな」
私の夢の世界なのに。
雲雀さんに撫でられた頭は、やっぱりどこか温かくて優しかった。
ねえ、夢の雲雀さんも優しいの。
明日起きたら、貴方はやっぱり優しいのかな?
「クスッ。おやすみ、ハヅキ」
現実の雲雀さんが、眠る私を撫でていたなんて、知らないまま。おやすみ(夢の中でも貴方に)