──え?
なんて言葉は出ない。
けれど代わりに「ぴよ」という声が出た。
ぱちりと目を開けて、目の前のリボーン君と雲雀さんを交互に見上げる。
何の脈絡もない質問。
というか何だって?
私が、可愛い?
冷静に考えれば、今の私の見た目は黄色の鳥、ヒバードと同じで。
もこもこの毛に丸い瞳。
ひよこにも似たその全ては確かに“可愛い”。
けれど何故だろう。
彼等の指す“可愛い”の意図が違う意味を含むように聞こえるのは。
「そうだね、」
伏し目がちにこちらを見下ろす雲雀さん。
長い睫毛が切れ長の瞳を綺麗に見せる。
さらりと白く細長い指で撫でられる頭。
──ああ、この人に私は嫌われたくないんだ。
今ならはっきり断言出来る。
私は初めて応接室に行ったあの日より、雲雀さんのことが、
すりすりとヒバードを真似て手に擦り寄れば、ほら、とても優しい表情を見せてくれるんだ。
「悪くない、かな」
雲雀さん、ズルイです。君の差し金かい(少し速くなった心臓を)
(知らないふりしたい)