余程嬉しかったのか、ヒバードは丸く黒い瞳をキラキラと輝かせると、私の分の器の側まで移動してきて、


『いただきます』


と今度は鳥語(?)で挨拶した。
どうやら、私には分からないがヒバードなりに日本語と鳥語を使い分けているようだ。


『はい、どうぞ』


それでも、礼儀正しいヒバードに私も嬉しくて笑顔で返す。


ところが。


「こら、それは君の分じゃないよ」


雲雀さんから、突然のダメ出しが出てしまった。


雲雀さんは躊躇いなくヒバードと私の餌の間に手を入れると、そのままヒバードを抱き上げて餌から離してしまう。


「あれは彼女のでしょ」


「ハヅキ、クレタ」


──……ヒバードの、馬鹿。


“まずい”という言葉が頭を駆け巡った。


与えられた餌を食べないなんて、我が儘に見える。
ここまで雲雀さんは私を見捨てなかったみたいだが、今回は駄目だ。
絶対、咬み殺される!
「僕のあげた餌に文句あるの?」とか言われて!!


雲雀さんの視線が痛い。
不意に触られた指先に、震えが止まらない。
堪らなくて、ギュッと目を閉じた。


どうか痛みは一瞬でありますように、と祈って。



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