何が楽しいのか、先ほどから雲雀さんはクスクスと笑いっぱなしだし。
「ほら、着替えるから降りて」
──え?
ヒバードが優雅に私の横まで滑空してくる。
いや、そうではなくて。
今、着替えるって言った?
着替えるって……。
私の考えなんて知らず、雲雀さんは学ランをハンガーにかけて、その白のシャツのボタンを外して──
『きゃー!!』
バサリという破廉恥極まりない音に、耐え切れず絶叫してしまう。
慌てて逃げようとバサバサ翼を動かすけれど。
やっぱり飛べるはずもないそれが、正しく機能するわけもなく。
短い足で方向転換してたいしたこともない距離を移動するだけ。
「ちょっと、大丈夫?」
不審に思ったらしい雲雀さんが少し無理矢理に、やっぱり私のウエスト辺りを掴んで、掌の上に降ろすと、落ち着かせるため頭を撫でてくれる。
けれど、絶対目を開けてはいけない。
絶対、絶対だ!
「急にどうしたの」
「ヒバリ、ハダカ。ハヅキ、テレタ、テレタ!」
──やっぱり裸なんだ!!
『早く服着てくださいー!!』
男子の裸なんて、恥ずかしくて見れるわけない。