『ヒバード!!』
ヒバードは飛びながら大きな声でそう叫ぶと、こちらに振り向き、躊躇いなく男に攻撃を開始した。
『テメェ!!』
男の直ぐ近くを飛び、その小さな嘴で相手を突いている。
すると、数分もしないうちに足音が聞こえた。
「っ!?……君、僕のモノに何してるの」
──雲雀さん、雲雀さん!雲雀さん!!
雲雀さんが目にも留まらない速さでトンファーを男目掛けて繰り出すと。
ガツンという音が頭上でして、もう上から圧迫感を感じなくなった。
直ぐに身体がふわりと宙に浮いたけれど、怖くなどない。
雲雀さんの、掌だから。
「もう大丈夫だよ」
多分、震えていたのだろう。
それから長い間、雲雀さんは私を撫でていてくれた。
「ヒバリ、ハヅキ、タスケタ!オテガラ、オテガラ!」
そんなヒバードの声が凄く嬉しかった。
そして。
勇敢な彼の鳥に何かお礼がしたくて堪らない。
ヒバードだって、十分“オテガラ”なのだから。もう大丈夫だよ(この幸せをどう伝えよう?)