『“籠入り娘”ってな。ふーん、中々イイ女じゃねーか』


『そ、そうですか?』


『あぁ。なぁ、オレの女になれよ』


『はっ?』


突然の告白──いや、ナンパに動揺してしまう。
鳥って何時もこんな会話をしているのだろうか?


相手は優雅に空間を飛ぶと、執務机に移動して来た。
ジリジリと詰め寄られる距離。
私の後ろには、風紀の資料。


『で、でも貴方とは種族が違うと思うんですが』


苦し紛れ。
私は飛べないからこの机から移動出来ないし、雲雀さんの大切な資料を汚すわけにもいかない。
何とか彼を追い返さないと──


『きゃあっ!?』


が、今一歩足りなかったらしい。
鳥は──いや、男は私がちらりと資料を見た瞬間、思いきり背中に飛び乗って来た。


『関係ねーだろ?』


男の大き過ぎる身体に覆われて、恐怖で身体が震えてくる。


──嘘でしょ!?
私、まさかこのまま鳥に犯されっ!?


“助けて!!”と叫ぶ前に、何時も聞く可愛らしい声が応接室に響いた。


「ヒバリ!ヒバリ!!ハヅキ、アブナイ!!アブナイ!!」


『うるせぇヤツだな』



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