──マーキングのつもりかな?
そんな行動も可愛くて、私はヒバードに夢中だった。
「私もヒバードになりたいな」
つい、ぽつりと漏らした馬鹿みたいな気持ち。
鳥になって大空を飛ぶのは、どんなに気持ち良いのだろう?
こんなに可愛くてふわふわになったら、どんな感じなんだろう?
鳥から私達の世界はどんな風に見えるのだろう?
雲雀さんの、近くにいるのは、どんな──
幼い子供みたいな好奇心だった。
言葉に反応したのか、ヒバードは私を見上げると、
「ヒバード、ナル!」
と、鳴いた。
随分可愛い意見だと思ったのが間違いだったらしい。
何処からか「じゃあ、そいつになれ」と男の子の声がしたと思ったら。
声に振り向く事も、反応することも出来ず。
ボンッと大きな音が私の身体を包み込んだ。ヒバードになりたいな(なんて馬鹿な考え)