「君の仲間かい?」
「ハヅキ、ハヅキ!」
雲雀さんの肩まで優雅に滑空し、ちょこんとそこに留まったヒバードが、そう可愛らしく鳴く。
心臓が飛び出しそうだった。
「ハヅキ、ハヅキ」
「葉月は人間だよ。あの子は君の知り合いだろう?」
「ハヅキ!」
私が今人間だったなら、間違いなく顔が真っ青だ。
人間が鳥になったなんて言えないし、ましてや今私はヒバードと群れているのだから。
雲雀さんの肩に止まるヒバードを見て、どうかそれ以上言わないでと祈ることしか出来ない。
『ヒバード、お願い、それ以上名前を呼ばないで!』
必死にそう伝えたくて何時もするように、手で、ジェスチャーするも、ただバタバタと翼が動くだけ。
なんて情けないんだろう。
「おいで」
『え?』
雲雀さんは私に手を伸ばしてそう言う。
──どどど、どうしよう!?
その突然の希望に頭は混乱した。
「おいで」と言われても、私はヒバードではないし、もし、私だとバレてしまったら後が怖い。
いや、その前に私は飛べるのだろうか?
『おいでよ』