「良い事教えたるわ」
そしてそれは正解らしい。
耳元で囁かれる声は中学生にしては色気を含んでいて、実に魅力的だが、それ以外は感じさせないから。
「姫サンがこのゲームに勝っても、俺が直接手を出しても“現実”は変わらん」
「……」
「無駄な足掻きや」
それだけ言うと、忍足クンは私から離れる。
勿論、手も解放して。
彼の余裕は一体何処から来るのだろう。
この、勝者の笑みは。
疑問はまだ、晴れない。
パズルのピースも、まだ、足りない。奇妙な助言(ヒントがまだ上手く使えない)
⇒跡部景吾・忍足侑士side