「あー、ズルイぜ侑士!加奈、俺のムーンサルトが見たいよな!?」


「そんなこと言って、自分達に負けても知りませんよ?」


「……激ダサだな」


勿論彼等だけでなく、レギュラー外の部員達もここぞとばかりに、彼女に手を振っている。
その行動を横目に溜息を一つ吐くと、木ノ下サンと岩浪サンがいるであろう仕事場へと向かった。


……私を見る瞳に気付かずに。















「天使様!良かった、絡まれていないか心配してたんですよ」


「心配しすぎよ。私はそんなにヤワじゃないわ」


「でも何かあってからでは遅いですから」


そう心配してくれるのはとても嬉しい。
嬉しいのだが……。


「心配してくれるのはありがたいけれど……仕事が捗らないのは問題ではないかしら?」


二人の周りには、今日の仕事と思われる資料とテニス道具が錯乱していた。
それこそマネージャーを雑用係かなにかと勘違いしているのではと思わせるくらいに。


「そうでした。早く終わらせて休憩しましょう」


岩浪サンにも目で合図をすると、私達は早速雑用にかかる。



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