(忍足侑士side)


ゲームはまだまだ始まったばかりや。


それでも、こないなおもろいゲーム、現実で出来るなんて思いもせんかったわ。
あの姫サンには本当に驚かされっぱなしや。


水をかけても、教科書を使えなくしても、特にコレといった反応も示さん。
ホンマに壊し甲斐のある姫サンや。
俺が屋上で、情けない姿を見ても、顔色一つ変えん。
俺やったら悔しくて罵倒の一つでもするかもしれへんのに。


そう考えると、あの姫サンは本当に中学生なんかと思う。
自分で言うのもなんやけど、中学生らしくない反応と考え方、頭脳。
木ノ下が言う通り、もしかしたら本当に大学生と違うんか?
大学生がそないに、大人びているかどうかは分からんけれど。


あの、楓原っつう姫サン。
少し素性を洗ったほうがええかもせえへんな。


しかし……今日の跡部の放送は正直考えが読めんかった。


そのまま、言葉通り取れば、ゲームのルールを守るだけのための放送という考えでも問題ないはずや。
でも取り方によっては姫サンを庇ってるとしか思えん内容。


あいつが何を考えてるか分からんけど、跡部は確かにうちの部長で、生徒会長なんや。
あの、プライドの人一倍高い男が、早々簡単に、突然現れた転校生のために動くとも思えんし。


跡部のことも気になるし、今日の部活……少し気合い入れなあかんなぁ。



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