「そう?この状態を面白いって感じるアナタの感性に疑問を感じるけれど……それより、この学校は保健室で服の貸し出しをしてくれているのかしら?」
「ジャージなら貸してると思うで」
私は了解すると、重い腰を上げて保健室に行くことにした。
流石にこのまま授業は受けられない。
それを遮るかのように、屋上のドアの前に忍足クンが立ちはばかる。
「……まだ何か用?」
「跡部のこと。今日の放送は正直何であないなことしたか分からんけど、あいつが自分のこと庇ってると思ったら大間違いやで?」
「へぇ?何でアナタがそんなこと言えるのかしら?」
「庇ってもろうてると本気で思ってるん?」
「どう思う?」
私はそう言い残し、屋上を後にした。
犯人はやはりというか何と言うか。
忍足クンなのだろう。
彼が跡部クンを庇っているのか、それとも単に彼を信じているのかはさておいて。
跡部クンのことは跡部クンに聞くしかない。
まぁ十中八九、私を庇っているというより、他の関係ない生徒を庇っているのだろうが。
もう少し、出方を見るしかないようだ。お決まりのハジマリ(始まった……イジメ)
⇒忍足侑士side