教室にザワザワとした声が響き渡る。
きっと、何処の教室でもそうなのだろう。


「これは、現在男子テニス部が抱えている問題の、早期解決を計るために決定した事項だ。必ず守れ」


「もう一度言う」と言い、ニヤリと笑った。
打算的な顔。


「楓原綾は俺様達の獲物だ。勝手に手を出すんじゃねぇぜ?……以上、生徒会からの連絡だ」


──…………ナニソレ。


驚くクラスメイトをよそに、私は笑うのを必死に堪える。


まさか、跡部クンに守られるなんて考えもしなかった。
彼なりに何か考える所があったのだろうが。


理由はどうであれ、立派な防衛。
さて、参加するテニス部員がどう受け取るのか。
見物である。


だが守ってくれたのは素直に嬉しい。
今度何かお礼でもしようかと思う。
樺地崇弘にでも聞いておこう。















「跡部さん!」


放送が終わると同時に教室を飛び出し、放送室まで全力疾走する。
途中、何人かの先生に呼び止められたけれど、それよりも優先させなければいけないことだったから。


簡単に言えば、自分はどうしても放送に納得がいかなかったのだ。


「あ?どうした、鳳?」



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