私の中の、真面目で地味な、生徒会長像が音を立てて崩れていく。
いや、生徒会長が跡部クンである時点で少し……いや、かなり予想はしていたが。


私の頭の中の戦いなんて、お構いなしに、クラスの大半の女子は、キャーキャーと黄色い声で、そこにいもしない跡部クンに手を振っていた。


……意味が分からない。


「昨日から話題になっている、三年の転校生、楓原綾についての事だ」


嫌な予感は的中するものか。
名前が出た途端、クラスメイトは、私を見、何だか嫌な視線を送ってくる。
まぁ、これから毎日、この嫌な視線と戦うのだ。
一々気にもしていられなくなるだろう。


しかし跡部クンが何故、全校放送などという手段を取ったのかイマイチ理解出来ない。
これほどに影響力とネットワークがある学校だ。
別にわざわざ生徒会長直々に連絡する内容でもないはず。


私の疑問などお構いなしに、話は淡々と進む。


「今日、俺様含む数人の男子テニス部員は楓原綾と、ある約束をした。その約束に基づき、本日から約束をしたメンバー以外は男子テニス部の“問題”に関わることを禁じる」



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