分かっていても不快に感じてしまうのは、やはり私がこの世界に存在するべきではない人間だからか。
しかし、気にしても仕方がないことは重々承知。
私は出来る限りこの件に関して考えないことにした。


明るく「お早う」という声が教室内に響く。
まるで転校生……いや、私などこの場に存在しないかのような雰囲気。
考えていた事が事なだけに空虚な感じがした。


時間になれば担任がやってきて。


「お早う」


それから出席を取り、中学校らしくホームルームが始まった。


中学校って“ホームルーム”じゃなくて“朝の会”っていうんだっけなぁ。
なんて、懐かしいことを考えながら、これからのことも考える。


どんな状況でどんな理由であれ、今私はこの世界に確実に存在しているのだから。
だが──はたして人は、自身が“此処”に“今”存在していることを証明することが出来るのだろうか?















仮にも大学生の私には、正直な所、時間がない。
授業の関門であるレポートは三つほど溜まっているし、就職活動に向けての下調べもある。
アルバイトだって無断欠席になってしまいかねないのだ。



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