ニヤリと笑った。
「どんな手法を使っても構わへんのか?」
「警察沙汰にならない程度ならどうぞ。その境界線は判断出来るでしょ?」
「自分達が勝ったら、加奈先輩にも謝ってくれるんですね?」
「勿論。潔く謝るわ」
「そのゲーム、乗ったぜ!加奈へ謝らせれるし、お前がいなくなったら部活もまた平和になるだろ」
ザワザワとはしゃぐ部員達の笑顔を見ているとこっちが笑えてくる。
榊太郎が少し不安げな顔で私を見てきたが、自信ありげに彼に答えた。
そのやり取りを見ていた者は、きっといないだろう。
「但し、このゲームの期限は現三年生が引退するまで。でなければ意味がないしね。それと、私がアナタ達を納得させるような証拠を出したら私の勝ちよ?」
そんなことはありえないと笑いあう彼らの前に、私は一冊のノートを突き出した。