皆は何だ何だと少し興味を持ったようだ。
「昨日も言ったけれど私は何もしていないわ。と言っても、納得してくれないでしょ?」
「当たり前です」
間入れず鳳クンが突っ込んでくる。
「だから、一つゲームを提案するわ」
「ゲームなんて付き合っている暇は俺達にないぜ?」
宍戸亮だった。
彼からは不快な視線も雰囲気も感じない。
感じるのは……。
──宍戸亮も“傍観者”かしら。
「参加するかしないかは個人の自由にするわ。但し、参加しない人は今回の件に関して関わらないでほしい」
もう一度、射るようなキツイ視線を宍戸亮に向ける。
「そうでしょ?はじめから関わる気がない人が関わって問題をややこしくすることは、問題解決の妨げにしかならない」
傍観者にとって、その意味が厳しいことを知っているから。
そしてそれを悟ったのであろう。
彼は私の視線から逃げるように俯いた。
「ゲームのルールは簡単。私を泣かせることが出来たら、もしくは私と藍場サンの件に関して、私が納得するような証拠を出してきたらアナタ達の勝ちよ。アナタ達が勝ったら私は素直に何でも言うことを聞くわ」