「そう思うなら自分で作って。三年間も仕事をしているなら嫌でも覚えたでしょ?」


一応ドリンクの場所を伝えておき、また仕事に戻ることにした。
しかしそうも上手くいかないのが現実で。


「楓原、悪いが話したいことがある」


榊太郎。


マネージャーの仕事場に来るなんて彼らしくない。
後ろでは藍場サンが笑っていることが分かった。


「構いませんよ」


「では着いて来なさい」















榊太郎に案内されたのは、昨日跡部クンと話したレギュラー用の部室。
私は入ると後ろ手でドアに鍵を掛けた。
一応、用心したことに越したことはない。


「何なの?出来れば木ノ下サンと岩浪サンだけにしたくないのだけれど?」


「すまない。実は少々厄介なことになった」


どうやら、昨日部活後に一部のレギュラーが私をマネージャーから降ろしてほしいと言ったらしい。


──まぁ検討はつくけれど。


確かに初日から少し失礼な気はしていた。
でもまさかこんなに早く“監督”を出してくるなんて予想外である。


──もう少し遊べるかと思ったんだけどなぁ。


少々残念だが仕方がない。



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