始めに駆けつけて来たのは鳳長太郎。
それから準レギュラーの日吉若を含む七人が順に到着する。
彼等は藍場サンの顔を見るなり、私に向き合い、明らかに怒った表情をした。
「どういうことですか、何故加奈先輩が泣いているんです!?」
泣いてないでしょう。
ただ目に涙を溜めているだけ。
「監督が誘った奴だから良い奴かと思ったけど、最低だな!クソクソ、加奈が可哀相だ!!」
「初日からどういうつもりや?俺等の部を良くするために来たんと違うんか?」
本当、絵に描いたような馬鹿ばかり。
まぁ、私があまり良くない状況から入ったのもあるから自業自得の部分はあるけれど。
「何か言ったらどうや?」
私は努めて冷静で冷淡な笑顔を作り、レギュラー陣を見据える。
それは自分でも思うが、中学生には冷たすぎる表情だろう。
無表情で、感情のかけらも見えない顔で見返した。
「何て言ってほしいのかしら?真実?嘘?それとも──」
クスリと笑い真っ直ぐに瞳を合わせて。
「アナタ達の大切なお姫サマが被害者になるような発言?」