私も、くっ付く木ノ下サンを連れて、藍場サンに付いて行こうとした。
「自分、ちょお待ちぃや」
そこに残っていたのは忍足侑士。
「自分、言いくるめるの上手いなぁ。……で、全部知ってんのやろ?此処で今起きている現状を」
「さぁ、どうかしら?私は自分の目で見たことしか信じないのよ。噂は当てにならない。そうでしょ?」
お互い駆け引きの攻防戦。
「ここで何がしたいん?救うなんて甘いこと考えてると違うん?それも木ノ下を」
私は彼と視線を合わせると、瞳をはぐらかさないように、じっと見詰めた。
そして疑問を、隠すことなく言う。
「そういうアナタこそ、状況をややこしくして何が楽しいの?ゲームを“遊んでいる”のはアナタの方だわ」
彼の瞳が少し揺れた。
「俺は加奈が心配なだけや」
「嘘。アナタが一番厄介。ペテン師の真似でもしているのかしら?アナタに道化はまだまだ早いわ」
「どういうことやねん?」
笑いが止まらない。
子供のお遊びだわ。
こんなの。