こうなったらこの“テニスの王子様”の世界を堪能するしかない。


折角来たのだ。
全世界の、いや、一部の腐……いや、マニアッ…………夢を忘れない乙女達の理想を実現出来たのだから。
楽しまなければ損をする。


──私って短絡的なのかな?それとも愉快犯?


そう軽く脳みそが飛び始めたその時だった。


「テニス部には今日から来るのか?」


その言葉に、思わず口角が上がる。


私は榊太郎と手を組んでいる。
彼には私の素性も目的も話してあった。
今回の、この問題を解決するためには、彼の協力なくして上手くいくはずがない。
簡単に言えば、先生と監督という権力が必要不可欠ということなのだ。


始めは不信がっていたが、納得せざるおえない状況なのだろう。
自らの部が虐め問題の根本になっていることは、否が応にも理解していただろうし、それほどに影響力のある部なのだ。


「勿論。早く木ノ下サンと合流したいし、何より元の世界に帰らないと……レポートがヤバイ」


「成程。急ぎなのか。残念だ」


「来年から就活だしね。……何が残念なの?」


「いや、こちらの話だ」



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