私は思わず紙を投げた。
上手く働かない脳味噌と、受け入れ難い現実に思わず逃避を考えた。
が、逃避をしても何も変わらないであろう状況に溜息を吐くだけで留まる。
無駄に過ごした時間は、人を此処まで現実的に、そしてシビアにするものなのだ。
例えそれが、これぞ正に、神様の仕業としか言いようがないという現状であっても、脳味噌が現実を受け入れなくとも、脳味噌の片隅では現実的に“どうしてこうなったのか”を考えている。
──歳なんて取りたくないな。
ご丁寧に見た目も中学生になっていることにすら、疑問を感じない。
ファンタジー一直線の、誰もが羨む魅力的な状況に、魅力を感じないとは困ったものだ。
さて。
私は朝の光が清々しい部屋で、現状の認識に脳味噌を働かせた。
その結果。
──分かっている事は一つ。私がこの世界で生きなければいけないという事。ただし、元の世界に帰るまで。