思わず彼女が中学生である事を再認識してしまう。
その“甘ったるいモノ”は年齢に応じて何時か消える“誰かを無意識に頼る”という気持ちだったから。


『あの……?』


そんなモノはいらない。
そんなモノは今必要ない。


だって私は一瞬の夢だけを共有する、赤の他人なのだから。


「頭悪いね、木ノ下サン。つまり同情してほしかったら他を当たってってコト。悪いけど、夢の中まで八方美人する気はないから。してほしいことがあるなら、素直に言いなよね。どうせ夢なんだし」


共有出来る時間は限られている。
ましてや今出会ったばかりの少女に何かしてあげる義理なんて本来はない。


だが、今、時を共有しているのは紛れも無い事実なのだ。
ならば今を最大限に活かす努力をするべきだろう?


『私……分からない』


「ふーん」


『どうして虐められているか分からないの。ある日突然ウザイって言われて。理由を聞いても教えてくれないの。何で!?私何もしてない!もうやだぁ、死にたいよっ!』


相手が感情的であればあるほど、本人は冷静になる。
なんて話していたのは誰だっただろうか?



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