馬鹿で間抜けな君だけど、僕を怖がったりせずに真っ直ぐに見る所は嫌いじゃない。
まだ、ね。


葉月の手を掴んで、逃げないように固定すると、ポッキーの先、甘過ぎるチョコレートの部分を口に含んだ。


とたん、手を引こうと葉月が動いたがそう簡単に離してあげるはずもなく、僕に捕まれたままの腕から上に視線を上げれば、顔を真っ赤にした君が。


ドクリと心臓が鳴った。


「い、委員長っ」


震えながら手を離そうとする葉月。


──何、その反応。
何時もの馬鹿から考えられないそれに、僕は迂闊にも彼女の問題を忘れていた。


葉月自身の、性格を。


「可愛い!萌えだー!」


「は?」


ぽろりと口から落下したポッキー。
僕は一瞬で現実に戻る。


彼女は、葉月は俗にいう腐女子というヤツなんだ。
何度か力説されたけれど全く理解出来ない世界。
いや、理解しようとも思わないけれど。


イライラして、手に力を込めソファーに彼女の腕を押し付けると、反対側の手で素早く違反品のポッキーを回収する。


「校則違反。没収だよ」



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