両手首を掴まれてしまえば、ただでさえ抵抗なんて不可能な状況で、絶望的ともいえるほど、希望が潰えてしまう。
「可愛いよ」
言うが早いか、雲雀は葉月の胸元に唇を寄せた。
存分に胸を愛撫した雲雀は、何を思ったのか唐突に葉月を抱き起こした。
これで恐怖からやっと解放されるのかと思いきや。
今度は雲雀を背に、彼の足の間に座らされて。
気付けば葉月は全裸。
雲雀はカッチリとスーツを着たまま。
という相反する状態だった。
後ろから伸ばされた、男の大きい掌と長い指は。
直ぐにまた葉月の胸に寄せられ、再度甘い愛撫を続けた。
既に抵抗出来る程度の力さえあまり残されていない葉月を、まるでじわじわと回る毒のように、ゆっくり、ゆっくりと落としていく。
クスッとふいに漏れた息に、何事かと考えようとした瞬間、奇妙な場所から熱を感じて葉月はビクンと大きく震えた。
「えぁっ!?」
クチュリと水気を帯びた音が響く。
驚いて視線を流してみれば、雲雀の長い指が足の付け根に伸ばされていて。
一気に葉月の顔に熱が上がった。