「ひゃっ!」
「葉月だけちょうだい」
かぷりと噛み付かれた、唇に。
甘いキスに、今まで感じたことがないほど強い刺激に。
雲雀の匂いに包まれて、葉月は強すぎる刺激に身体を震わせてしまった。
「ふ、あ」
身体が怠い。
熱い熱が一気に上がり一気に落ちた。
息は落ち着かず脳みそは動かない。
「良い子」
雲雀の言っている意味が分からない。
けれど行為は知っている。
今から大変なことになることも。
ストリッパーでもこんなに厭らしくないだろうと思うほど、雲雀は美しい白い肢体を曝していく。
たいした時間ではないかもしれないが葉月には恐ろしくスローモーションに見えていた。
黒のジャケットを脱ぐ姿。
黒のきっちりと締めていたネクタイを緩く指で解いていく姿。
紫色のシャツのボタンを一つずつ白い指で外し、カチャリと音をたてて抜かれたベルト。
よくあるシーンなのに、目が離せない。
そんな葉月を楽しむように雲雀はふと視線を彼女に戻すと、艶やかに微笑んで見せた。