「ノボリさん、好きです!」


「あー、ノボリ、あっち」


へらっと笑ってみた。
ぼくなりに考えた返し。
その女の子はぽかんとした顔して、ぼくとノボリ比べると、真っ赤な顔を真っ青にして走ってった。


いつものこと。
制服だって交換したら、誰もクダリかノボリか分かんない。


みんな、ノボリでもクダリでもいいんだ。
サブウェイマスターなら。


ぼくのこと分かるのはぼくかノボリだけ。
ノボリ分かるの、ぼくだけ。


「クーダーリーボースうぅぅ!?」


「ぴゃっ!!」


「可愛コぶりっこしても駄目ですからね!逃がしませんからね!!」


い、痛い。
ハヅキ、すごい力。
ローブシンもびっくりなくらいすっごい力。
それ、思いっきり肩に入れられた。


「ハヅキ、な、に?」


うわーん、ぼくもう泣きそう。


「こ・れ!この書類はボスのです。期限、今日なんですから!」


見せられた書類、いっぱい。
しかも全部、隅っこにサイン欄。


「えー、こんなにムリ!ノボリに頼んで?」


首かしげればみーんな、赤い顔してノボリの仕事になる。
えへ、ぼくって天使でしょ?




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