顔を上げた瞬間、力の加減もなくハヅキを抱きしめた。
今度は正面から、ぎゅうと。
小さな身体をすっぽりと覆うように。


「すみません、わたくしも。わたくしも嫉妬いたしました。ハヅキ様がトウヤ様とあまりに仲が良ろしくて」


ハヅキの身体は震えていたが、心はだんだんと熱くなってきた。
やっとノボリの本心を聞けたから。
ノボリの顔を見ると、泣きそうなのにほんのり頬を赤くして小さく微笑んでいた。


だから「……いっぱい、嫉妬、しちゃいました」と小さく微笑んで、ノボリの広い背中に手を回す。


抱き着けば何時もの、お互いを安心される優しい匂いがした。






be consumed with
jealousy
(全てはアナタのせい)




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