「すみませんでした」
全力で四十五度の完璧な最敬礼をする。
今回の件に関しては、百パーセント私に非があるから。
ボスの、インゴボスの命令を無視して痴漢犯を追い掛けた結果、まさかの相手が銃刀法違反者だったことが追い詰めて発覚。
私に向けて包丁を突き出し、さすがにマズイと思って一歩引いたところで。
インゴボスのオノノクスの“げきりん”が炸裂した。
この際、なんで“げきりん”を覚えているのかなんてどうでも良い。
ともかくその技を相手に容赦なく繰り出した後、更に極めつけに銃発砲と鞭を打ち鳴らしたところで、相手が膝を着いた。
結果は言わずもがな。
そして単独行動と命令無視をした私は執務室でお説教を受けることになったのである。
「お前をノボリ様から預かっているのはワタクシです」
「はい」
そう言いながら机に上げていた足を机の間に戻しているボス。
それ自体が品がないと思うが、多分それでもムカつくくらい長い足を組んでいるのだろう。
ユノーヴァ人め。