ゴクリ。
バトルするより緊張する空気に、少し震えながらシャンデラのモンスターボールを開ける。
光と共に現れたのは、バトルの傷を回復した、私のシャンデラ。


が、何故か私の背中に隠れた。


「し、シャンデラ?」


“おくびょう”な私のシャンデラは、多分先程のバトルで彼のシャンデラに恐怖を抱いたのだろう。
もしくはバトル以外で会うことが恥ずかしいのか。


とにかく、ガクブル状態のシャンデラをこれ以上辛い目にあわせたくなくて、ごめんなさいをしようと彼のシャンデラに向き合うと。
すっ、と彼のシャンデラが私を挟んで私のシャンデラに手を伸ばした。


まるで紳士のように。


私が目をぱちくりさせて、ぽかんと見詰めているのを横目に、私のシャンデラが淑女さながらに怖ず怖ずと手を伸ばす。
すると、彼は待ってましたと言わんばかりに彼女を優しく引き寄せた。


──これは、一体。


「すみません、お客様。どうやらわたくしのシャンデラがお客様のお嬢様を気に入ったようでございます」


「は、あ」


つまり、何だ。
シャンデラ的な所謂、一目惚れというやつか。
ポケモンもそんな風に恋をするのだ。
今まで知らなかったけれど。




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