本気を出したハヅキにも興味があるが、それ以上に、問答無用で突き落とす、その瞬間の彼女にこそ興味がある。
ノボリはこくんと喉を鳴らすと、ハヅキだけは知らないその真実で一気に勝負を決めることに決めた。


「シャンデラ、出発進行!」


そう、ノーマルトレインでシャンデラを使うことはないという、真実で。


対するハヅキは。
昨日のクダリの言葉が頭を離れなかった。
まるで呪いのように響く“使えない子”という言葉。


確かに彼女は一度もポケモンを解放したことがない。
それもこれも全て目の前の敵、サブウェイマスターばかりを追い掛けていたからだ。
だからこそ、サブウェイマスターに勝利し彼のポケモンを解放する。
信念を持って。


「いきます、ハーデリア!」


真っ赤な光の中、ハーデリアが吠えた。













一瞬で全てが終わった。
時間としても技一つとっても。
ハヅキの三体をもってしてもノボリのシャンデラ一体に全滅。
その過酷過ぎる真実しか目の前には残っていない。


「私の勝利でございますね」




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