警察がプラズマ団を追っているのは周知の事実。
その端くれではあるが一員のハヅキも何時そうなっても可笑しくはないのが現状だ。
「まぁ、君みたいな子が捕まっても彼等は何とも思わないだろうけど」
「……どういう意味ですか?」
クダリは素直に目を丸くして少し考えると、まるでレパルダスのような三日月型のキリッとした目でハヅキを見下ろした。
「君みたいな“使えない子”は必要ないって意味だよ」
「ご乗車ありがとうございます、ハヅキ様」
少し驚いて目を見開いたノボリだが直ぐににこりと何時もの笑顔を取り戻した。
「貴女が此処にいらっしゃるということは、覚悟をされたと判断いたします」
「…………勝てば、良いんですよね?今日こそ、ポケモンを解放してもらいます」
真っ直ぐにノボリの灰色の目を睨みつける。
毎日見ていた彼女とは明らかに違う雰囲気に口角が上がるのが止まらない。
クダリがよく言っているではないか “バトルは真剣でないとつまらない”と。