そうして過ぎていくトレインを見送ると、ハヅキはまるで糸が切れたかのようにホームに崩れ落ちた。
汗がどっと吹き出す。
身体が震え、とても怖かったことに今更ながら気付いた。
バトルトレイン内で戦闘不能から回復したパートナーのハーデリアが、勝手にモンスターボールから出ると不安そうに横に擦り寄ってくる。
ただ寄り添うその温かみにハヅキは涙を流し──
「まだいたの?そこ邪魔なんだけど」
そうになったのが止まった。
見なくても分かる。
もう一人のサブウェイマスターであるクダリだ。
カツカツとわざとローファーを鳴らして目の前に立つと、座り込んでいるハヅキの頭を痛いくらいに掴んで高身長の彼の目線まで上げさせられる。
歪んだ顔に彼はつまらない物を見るような蔑んだ瞳を送り、盛大に溜息をはいた。
「ノボリ兄さんが優しいからって甘えないでよね」
「なに、を」
「君はプラズマ団で僕達はサブウェイマスターだ。君を排除するのもジュンサーさんに突き出すのも、僕達の自由ってこと」