「ナマエが良い子にしていたら、また、作ってあげますよ」
薄く笑い、鈍く光るセバスチャンの紅茶色の瞳。
その瞳にナマエはビクリと身体を震わせた。
……が、それも一瞬のこと。
こくりと小さく頷いた。
その反応に満足したのか、セバスチャンがまた一切れフレンチトーストをフォークに挿し、食事の続きを進めれば。
また、大人しく口にそれを含むのだった。
「……んあぁっ」
教会で出会った時とは随分と変わった、ナマエ。
綺麗に洗われた髪に身体。
陽にあたらない分、白く輝く肌。
それを際立たせる純白のネグリジェ。
そして何より、もう祈ることのなくなった少女からは、清らかな気が無くなり、代わりに年齢に合わない程の強い色気をかもち出していた。
「やぁっ!」
クチュリと水気を含んだ音がすれば、ナマエは顔を更に赤くして逃げようと腰を捩る。
それがまた、セバスチャンを煽っていると知らずに。
「ほら、逃げてはいけませんよ」
言葉とは裏腹に、逃がさないとでも言わんばかりに腰を掴み、またそこへと口を近付け、甘い快楽を与えた。
今はまだ、全てを喰らうには幼過ぎるが。
“その時”を想像して、セバスチャンの紅茶色の瞳がまた、鈍く闇に光った。
悪魔仕掛けの純白
(もう戻れない所へ堕ちて)
お題参考:Romantic Wars 様
→お礼