「えっち」
「な!?ひ、雲雀さんの方が、え、え、えっちです!」
下着に手をかけたところで、慌てて目を反らした。
反らせられた。
これ以上は無理だ。
見たく、ない。
「……そうだね」
けれどこの場からは逃げられない。
雲雀に力の抜けた足を持たれ、彼の素肌を感じる。
名前はそれだけでもう泣きそうだった。
覚悟が決まらないから。
「これから君と、えっちなことをするんだから」
子供に言うような言葉遣いなのに、言っている内容は全く可愛くない。
下半身が触れ合う感触が嫌でも分かる。
「やっぱり、やっぱり、」
「名前、好きだよ」
耳元でとんでもない言葉が聞こえた。
普段、何故か聞かない感情の名を受けて。
驚いて目を見開くとドキリと心が高鳴った。
雲雀の慈しむような、けれど切なそうな優しい表情あったから。
片手を頬に添えて、吐息混じりの声で告白される。
「……愛してる」
何も名前が答えられないまま、唇を塞ぐようにキスを与え、