(残虐な表現を含みます)


振り切られた剣が飛ぶのをスローモーションで見た気がした。















ぴくりと身体を震わせて、無くした意識を取り戻すとリーヴェはそのまま瞳を閉じて倒れたまま、自身の買い被りに後悔した。


能力で負けたとは、今でも思っていない。
ただ、そう、ただ。
身体に染み付いた命令への反応が思わぬ所で出ただけだ。
軍人として誉れるべきだろうが、今回は勝手が悪すぎた。


先程から、何やら途切れ途切れに聞こえてくる大シマロン兵の声。
内容はといえば、流石、潜伏期間が長いと見える。
いかに高確率で魔王を暗殺出来るか。
その一点張りだ。


どうやらリーヴェ自身にはあまり興味がないらしい。
いや、殺したと勘違いしているのか?
ともかく特にこれといった拘束もされていない。


それがどういう意味か、答えは直ぐに分かった。


「起きてるんだろ、女」


「寝転がってても痛いだけだ。こっち来いよ」


──やはり気付かれていたか。



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