とてもではない仕打ちだが、それでも有利はキレずに頑張る。
何故ならティータイムの内容が、脅迫状と大シマロン兵、リーヴェについてだと理解しているから。


けれど、時は無情にも過ぎていく。
夜の闇が空を包み込み。
流石にもう明日に響くかと、落ち着かないながらも自室に戻ろうと皆が決意した時だった。


コツンと、窓に何かが当たった。
そちらを見れば。


「コッヒー!?」


骨飛族が何か紙を持って、そこに待機していていた。
ギュンターは慌てて窓を開け、その中身を確認する。


彼の顔は緊張で少し眉間に皺が寄っていた。
有利はぐいっと彼の横から顔を覗かせて、紙とギュンターを交互に見て。


「ギュンター、何だって!?」


眞魔国の文字はまだ三歳児レベルの有利からすれば、ミミズの這ったようなそれを読み取る事は厳しい。
だが、その下に書かれている物が地図だということは分かった。


つまりそれは。


「此処にリーヴェがいるんだな?」


今度の有利の言葉に、ギュンターは上手い言い訳が思い付かなかった。
真っ直ぐに真剣に自らを見る魔王陛下の、漆黒の瞳の中に、強い意志を見てしまったから。



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