「悪い。おれと……話すのも楽しくないよな」


あからさまに項垂れる有利を見て、ギュンターは物凄い勢いで場を和ませようとする。


「そんなことはありません!陛下は私達にとって素晴らしい存在です!!リーヴェも仕事続きで多少疲れているのですよ。明日にでも、また時間をお作りいたしましょう!!」


その言葉に有利は少し上目使いでリーヴェを見た。
対するリーヴェは諦めるしかないことを心の中で悟り、後悔する。


一礼して、分かる人には分かるように。
“仕事”として、忠誠を誓った相手としての態度に出た。


「本日は陛下の休息の時間さえも邪魔をしてしまいました。陛下さえよろしければ、明日、またお時間をとっていただけませんか?」


言葉だけは可能な限り、有利に興味があるように答える。


「約束だからな!?」


その言葉を信じたらしく、有利は幸せそうに、微笑むと、ギュンターと共に私室へと帰っていた。
当然、態度の真意に気付かずに。













時刻は既に日本時間表記で零時をまわっている。



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