「そんなことないだろ?またまた謙遜しちゃって。コンラッドと同じでアルノルド帰り……だっけ?それから“死の番人”?」
「確かにそう言われたこともありますが……」
その反応が嬉しかったのか、有利は嬉々としてここぞとばかりにリーヴェに語りかける。
「なんで死の番人なんだ?もっと明るい異名でもいいだろ?」
「……私は、死刑執行人も兼ねておりましたので、そう呼ばれておりました。あまり口外する内容ではないと考えております」
リーヴェは出来るだけ早く、この状況から抜け出したい一心で話を区切ろうとする。
その分かりやすい態度に、有利も流石に表情を曇らせた。
「リーヴェはおれのことやっぱり嫌いなのか?」
「いいえ。陛下を好きと嫌いで分けるなど、おこがましいことです」
「個人的には?」
「……興味がございません」
頑なに他人を否定するリーヴェ。
事情を知らない有利はただ、その現状に悲しむしか出来なかった。